【第28講座】新規事業の「ビジネスプランコンテスト」


2014年04月23日 (水)

ある大手企業(ここでは仮にC社としておく)で新規事業のビジネスプランコンテストのお手伝いをしている。

私自身、ビジネスプランコンテストというのは、何年かやってみて成果が出ずに消えていく運命というのが一般的な通説という捉え方をしているのだが、こちらのC社ではきちんと社内で根付いて多くの社員からのたくさんのビジネスプランが出てきている。

そして、優秀なビジネスプランには、会社から一定の金額と一定の時間のフィージビリティの機会が与えられる。大手企業の投資金額として必要十分な、相応の額が動いているのだ。実に素晴らしい取り組みと言える。

クライアント企業の内容であるため、詳細に書くことは当然出来ないが、ここで記しておきたいのは、ビジネスプランコンテストのような取り組みは、とにかく「継続すること」と「伝説を作ること」が肝要という点だ。

弊社では、新規事業開発のセミナーや研修を行って、事業計画の書き方や、マーケティングプラン・ビジネスモデルの構築法などの講義を行っており、一定の評価を頂いているが、最初のアイデア出しに関してだけは、ワークショップ・ブレインストーミングのやり方などをお伝えする程度で、中々本質的な提案が出来ていない。アイデアだけは、どうしても社内で内製して頂かなければならないのだ。

社内に継続させる運気さえ作っておけば、従業員の数だけアイデアが出てくる可能性がある。特に、頭の硬くなった管理職や幹部では思いつかないアイデアが新入社員や若手社員などから出てくる可能性が高い。
ビジネスアイデアの噴出量に関しては、社内のヒエラルキーと逆ピラミッドになっていることを経営者は忘れてはならない。

その上で、良いアイデアをビジネスプランの形にするのは、社内でもそれに強い企画畑の人や弊社のような外部のコンサルも利用できる。

C社の事例においても、弊社のお手伝いは、ビジネスプランニングの方法論を研修したり、役員向けプレゼンテーションのクオリティアップの支援などとなっている。その辺りは、私達の様な外部のファームを頼って頂きたいところ。

もう一点は、成功事例を何としてでも作り出して「伝説」にする必要がある。良い「伝説」が出来てしまえば、継続への機運も維持しやすくなる。今回のC社においても、「伝説」が出始めている。もう安心だろう。

とにかく、ビジネスアイデアを出し続ける場とそこへのモチベーションが新規事業開発には欠かせない。これは大企業でも中小企業でも変わらない事実だ。

新規事業コンテストのような制度が、一度は存在したものの形骸化したり、なくなったりしてしまった企業の方々。少し経済が上向いているタイミングだからこそ新規事業に改めて目を向けるべきではないだろうか?