AIの検定試験である、G検定を受験してみました。そして無事一発合格できました!


2020年07月24日 (金)

G検定を受験してみました。そして無事一発合格できました。

AIなんて、47歳まで一度もかかわったことのなかった私が、2020年7月4日にG検定というAI(特にディープラーニング)の検定試験を受け、無事に一発合格しましたので、そこで得た学びをまとめてみたいと思います

G検定とは

G検定なんて全く聞いたことがない方に向けて少し解説しましょう。
G検定とはジェネラリスト検定の略で一般社団法人日本ディープラーニング協会(Japan Deep Learning Association:JDLA)が実施している資格試験のこと。AI(人工知能)の中でも、最近特に注目されているディープラーニングという手法について学ぶための資格。エンジニア向けではなくてAIの歴史や基礎的な技術を理解した上で、経営や事業にどう生かしていくべきなのかについて学ぶ内容になっています。だから広く浅くという意味なのでしょう、G(ジェネラリスト)検定という名前がついているのです。上位資格にE(エンジニア)資格というものもあって、エンジニアの方はこちらを目指すのが一般的。だから、G検定の技術面は、そこまで難しいものでは無くて、全く知識ゼロの文系君(私のこと)でも1カ月程度しっかり時間を取れば何とかなりました。

12,552名受けたうちの8,656名が合格したので、合格率68.9%と結構高め。今は、AI及びディープラーニングの啓蒙期間として、まずはすそ野を広げていく戦略を取っているのではないかと推察しています。

一応公式テキストなるものがあり、AIの歴史と変遷から機械学習の手法、ディープラーニングの基本的な技術と研究分野、そしてビジネスへの応用についてが試験範囲となっています。

勉強の中で、偏微分とか線形代数とか、高校で挫折した数学の用語がたくさん出てくるので、最初は引きます。が、大人になって数学を見てみると意外に学生時代になかった気づきがあるものです。大人の為の数学入門的な本を読んで、今まで知らなかった数学の面白さに少し触れることが出来たのは受験の大きな副産物です。

ディープラーニングって何

AI(人工知能)の中の機械学習の中の手法の一つ。日本語では深層学習などと書きます。興味のある方はそれこそG検定を意識して勉強されると良いと思うのだけど、簡単に言うと人間の脳の構成要素であるニューロンの動きをまねて、コンピューターに学習をさせる仕組みとでも言いましょうか。入力値に適切な関数を適用して、コンピューターに正しい解を出力させる為の考え方です。現在は、画像認識と音声認識、自然言語処理などを中心に広範に使われている技術。

囲碁や将棋の世界で、プロがAIに負けたというニュースは多くの方が知っているのではないでしょうか。それらはディープラーニングの技術を用いたコンピューターが対戦をしています。

何のために受けたのか

私が所属している神奈川県中小企業診断協会において、AIビジネス研究会という団体が発足し、そこに入会したのがきっかけです。加えて、私の専門領域の新規事業開発では、ITと関連しない事業計画はあり得ません。私自身がITがらみの事業計画策定を得意としていますので、AIについての知識も事業開発には不可欠になってくるという確信から受験を決意しました。

おりしも、DXという言葉が市民権を得ていく中で、私自身が研修講師、コンサルタント両面でDXを前面に打ち出していこうと舵を切ったことも大きく影響します。私の専門の新規事業にせよ、営業にせよ、DXなしに進化はないでしょう。DXには様々な定義があり、まだまだ概念として固まっていませんが、少なくともそこには必ずAIが介在することだけは間違いありません。AIを語れずしてDXを語るなかれ、DXを語らずして新規事業開発を語るなかれです。

AIの現場での活用は、エンジニアやデータサイエンティストにお願いする必要がありますが、事業系コンサルタントである私はAIで何ができ何が出来ないのか、そしてどのような事例があるのかについてしっかりお話しできるようにしておかなければなりません。事業計画の中に、AIにデータを与えることによる何らかのサービスを行うという内容のものがあれば、それらの実現可能性についてある程度判断できるようになるところを目指しています。

これからにどう生かすのか

私自身が、自分のキャリアを2000年にDXしました。サンゲツからデルに転職したときです。その当時はDXなどという言葉はありませんでしたが、ITによる世界の進化に関与したくて大きくキャリアの舵を切りました。

建材屋さんからパソコン屋さんへの業界転換は中々にエキサイティングでしたよ。しかしその経験がコンサルタントである今に生きています。建設業界とIT業界の双方をしっかり理解している人間は、そう多くない。

私はシステムエンジニアではありません。しかし営業や事業開発をメインフィールドとしてIT化、そしてデジタル化による世界の利便性の向上には、常に意識的に関与してきました。次はAIによって、どのように人の世が便利になるのかについてしっかり関わっていこうと考えています。

まずは、AIやDXを苦手としている非IT系の経営幹部、管理職への教育という面で役に立っていきたいと考えています。というのも、私の特技は、難しい専門知識を誰よりも面白くわかりやすく伝える事。

ITを含めて、経営分析・財務会計・企業価値評価など、その道の専門家ではありませんが、専門ではなく、後付けで勉強したからこそ、その道の素人にはわかりやすく伝えることが出来るのです。「営業担当者の為だけの財務会計講座」は相当ウケていますよ。財務会計の専門家は、営業担当者がなぜ財務会計を理解できないのかがわからない。私は営業あがりの中小企業診断士なので、資格試験で相当に苦労した経験を持っています。そして、営業現場で財務会計の知識を活かして「売れる営業」の経験もしてきているのです。

なので、それと同じように、AIやDXのエッセンスを、その道のプロじゃない人達に対してお伝えできるようにしていこうと思っています。

加えて提供を考えていきたいのは、AIを絡めた新規事業計画作成のお手伝いでしょうか。新規事業計画を作成するのは必ずしもデジタル分野に強い方ばかりではありません。新規事業の責任者の中には、どちらかというと苦手と考えている人も少なくないはずです。

そういう方々に限って、事業計画の中にAIやディープラーニングという名もなき誰かさんを使って、計画を一気にブラックボックス化してしまいます。とてもよくある話なのですが、これはいけない。AIでできる事、ディープラーニングでできる事をしっかり理解した上で、新規事業への関与を表現しなければなりません。

最先端の技術をしっかり理解し、経営層に対してわかりやすく伝えるのかについて試行錯誤する必要があります。私は新規事業とDXの専門家として、しっかりと作成者に寄り添っていこうと考えています。

私は新規事業に関わるメソッドを教育する教育者です。せっかくAIというこれからの世界を切り開く技術の世界をノックしました。引き続き、一般の人のほんの少し先を進んで、その技術をわかりやすく面白く伝え、日本のビジネスパーソンのレベルアップに寄与できればと考えています。そして、できればAIを使った新規事業の一つでも二つでもに関与することが出来れば最高ですね。

次回、G検定合格に向けたアドバイスを非エンジニアの文系諸氏に対しておくりたいと思います。こうご期待。

小倉 正嗣