【第21講座】士業の為の営業処方箋  【第1章】


2013年10月11日 (金) HIRO_74asdaf5

このところ、士業の営業支援や士業向けネット集客といった、サムライ業向けの集客支援のビジネスが活況ですね。

 

ものの本で、士業をやるより士業向けビジネスをやる方がよっぽど儲かるという下りを読んだのですが、なるほど言い得て妙だなぁなどと思ってしまいました。筆者も、一応中小企業診断士という資格を持っているので、なんとなくその手の方々のコミュニティに同席することが多く、士業仲間の悩みはよく耳にするところです。

 

元営業マンなので、営業に苦労されてなさそうですねと言われることも多々あるのですが、ところがどっこい普通の会社の営業より、士業の営業はよっぽど難しい。営業という仕事に16年ほど関わってきて、トップセールスなどともてはやされたこともなくはない筆者だけれど、お恥ずかしながら毎日が試行錯誤の連続なのだから間違いありません。通常の事業会社の営業とは内容も質も全く異なるのですから。

 

それほど難しいものなのだから、営業未経験の士業の方々が苦労をされているのもアタリマエです。営業を教えているコンサルタントでも難しいもんは難しい。従って本稿をご覧になっている集客にご苦労されている士業の方々は、まず安心して下さい。全員が困ってアタリマエなのですよ

 

なぜ困ってアタリマエなのか?幾つか理由が考えられるので、ここで少し記してみたいのです。

  1. 売りものの根っこが皆同じで、同業間の差別化が極めて難しい。例えば、二人の税理士を比較してどちらがうちの会社にふさわしい税理士かと考えた場合、判断が実に難しい。マーケットが飽和している現状、ダンピング以外の戦略が立てにくい。
  2. 社会通念上、「先生業」であるため「お願いします」と頭を下げて営業をするという感覚に、する方もされる方も違和感を感じる。上から目線はやめたほうが良いけれど、頼れる存在でいて欲しいのは事実だから、あまり下からだと頼りになるのか疑問を持たれてしまう。
  3. ランチェスター戦略でよく語られる地域一番店を目指そうにも、何をもって一番を目指すのかがよくわからない。何かの分野で一番詳しい?それを実績がない段階でどうやって証明するのか?
  4. スイッチングコストが大きい。何故なら前任者からの引き継ぎなどあるわけないから。士業の変更に際して、社員からのヒアリングなど、キャッチアップに大変な時間とエネルギーが必要である。そう考えると変えなくても良いと考えてしまう。
  5. 営業のタイミングが図りずらい。個人向けの士業の場合は、テンポラリーな案件も出てくる可能性はあるが、法人向けに営業する士業の場合、既存の士業に不満を持っていて変更したいと考えている顧客ニーズは極めてわかりづらい。基本一社一人しか顧問はいらないので、新規創業時を除いては、他の先生と入れ替わりでしかニーズが発生しない。
  6. 基本売り物が変わらない。例えば「新製品が出たから紹介させて下さい」とか「新カタログが発売になったからお時間ください」などという、通常の営業が行うアクションが取れない。
  7. 強みの伝え方が難しい。商品が自分自身なだけに個人的な強みを伝えて営業した場合、少し間違えると単なる自慢と捉えられかねない。

 

他にもあるとは思いますが、ざっと7点ほど上げてみました。

士業の営業の特殊性はおわかり頂けたのではないかと思います。ガンガンお客さんにアポ取って訪問して、製品紹介をする営業であれば、ひたすら数をこなすだけでもそれなりの成果を出せるのですが、士業の場合、自分で積極的に自分という商品を売って歩けないのが難しいとこなのです。引きの営業という奴ですね。これには一般的な営業とは全く違うリテラシーが必要になると思うのです。

 

とはいえ、筆者は曲がりなりにも営業とマーケティングの専門家を標榜している訳ですから、それなりに色々と考えているのですよ。士業として食っていくためのマーケティングプランを。

 

閑話休題。

私がホームページ制作会社の営業改革にジョインしていた時の感覚が、士業の営業感覚と少し似ていました。ホームページは一社に一つしかいらないので、すでにある会社には営業をかけても仕方ないという点は全く同じ状況です。

 

では、その会社はどうしていたかと言うと、思いっきり焼き畑農業をしていたのですね。テレフォンアポインターのアルバイトを山のように雇い、絨毯爆撃的に電話をかけ、ホームページを持っていない、あるいは現状に不満を持っている潜在顧客を探して回るという手段です。だいたい、一日に一人120本くらい電話をかけて、一本から二本程度はアポが取れるというのが相場だったようです。しかも情報流通の潤沢な都心ではそう言ったニーズは少ない。従って営業マンは、どんどん情報弱者の多い地方へと車を走らせて、長距離トラック運転手ばりの走行距離と残業を行っていました。

 

現在でも、よくある士業の営業代行会社は同じようなロジックで動いているのは間違いないですね。お客様のニーズを探してどこまでも爆撃を続けるというやり方を。この手の会社は長続きしません。なぜならばというのは言わなくてもわかりますよね。焼畑農業だからです。

 

さて、士業の皆さん同じ方法を取りますか?取りませんよね。

 

では、次回以降に元営業マンで現役営業系士業なりに考える、士業の営業処方箋を書いてみたいと思います。もちろん、私も士業として独立して一年目。偉そうなことを言える立場ではございません。ただ、営業という世界にどっぷりと浸かってきた人間として、これからの自分のプロデュースの方向性を考えているので、その思考を共有してみたいと考えている次第なのです。

 【第2章に続く】

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